ホーム 深層報道 浜村弘一氏が語る「ゲームってなんだ」(前編) ◆ゲームは「素晴らしい」未だに飽きないですね。

浜村弘一氏が語る「ゲームってなんだ」(前編) ◆ゲームは「素晴らしい」未だに飽きないですね。

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Mediums特集企画「ゲームってなんだ」

4月になり受験が終わって新しい学校に入り気が緩んでいる人もいるのではないだろうか。もしかすると中には既にゲームに依存してしまって課題が手につかない、という人もいるのかもしれない。私たちにとってゲームの問題はいつの時代も避けては通れないものだ。
そこで「ゲームってなんだ」をスローガンに、専門家へのインタビューを通じてゲームについて考えていく。

CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)は昨年、設立から20周年を迎えた。昨年はドラゴンクエストが30周年、そして今年はファイナルファンタジーが30周年を迎える。

ゲームは私たち中高生の日常にも深く根付いているものだが、それは私たちが生まれるよりも遥か前から長い時間をかけて試行錯誤が繰り返されたからこそだ。

今回は、ゲーム総合誌『週刊ファミ通』の編集長を経て、現在はファミ通グループ代表を務める、カドカワ株式会社 取締役の浜村弘一氏に話を伺った。

浜村氏はゲーム黎明期から第一線で動向を見てこられた方で、私たちとはまた180度違った目線で物事を教えてくれることだろう。

 

 

– 第一週 –

 

ゲームの変化について聞くと
ゲームは「素晴らしいもの」だとすぐにわかった

 

ーゲームが好きになったきっかけは

「大学生の頃にゲームが登場して、その時初めて『素晴らしいもの』だな、とわかったことがきっかけですね。」

ーファミ通に関わったきっかけはなんだったのでしょう?

「アスキーの『LOGiN』というゲーム関係の雑誌に入ろうと思って。そこから創刊されたのが『ファミコン通信』(現:『週刊ファミ通』)。当時、ゲームはただの玩具と思われていたのが、段々と任天堂以外からソフトを作る人が増えてきて、産業規模に大きくなってきて。そこで出てきたいくつかのゲーム雑誌の一つが、『ファミコン通信』でした。」

 

◆ファミコン時代、パッと見てわからないものを脳内補正していく、逆にそこが面白かった

 

ーファミコンと今のゲームを比べた時に、ファミコンの方が良かったと思う点はありますか?

「表現力の低さがむしろ良かったと思う。これを森と思え、人と思え、城と思え……みたいな。表現能力が低いので、パッと見てわからないものを自分でこんな風に感じましょう、と、脳内補正していく。物語なんかも文字が少なくて、こういう風に妄想していきましょうと補正していく中で、ユーザーに任せられる部分が非常に大きかった。そこが逆に面白かったんじゃないかな。」

 

ー昔は外で遊んでいたのが、ゲームで遊ぶようになり、最近ではオンラインで遊ぶように変わってきたと思うのですが、その背景にはどんなことがあるのでしょうか

「ゲームってエンターテインメントなので、漫画もそうだし小説もそうなんだけど、常に新しい刺激を求めて作っていかないと飽きられてしまう。例えば映画というメディアは昔モノクロだったのが、音がついて、色がついて、CGが使われて、どんどん進化していった。 (ゲームも)最初は2Dだったところが、グラフィック能力が上がって綺麗になって、3Dになって、今度はオンラインに繋がるのが当たり前になってっていう技術の進化の中でどんどんと面白い刺激を入れていった。」

 

◆ユーザーに託される部分が大きくなった

 

ー今では”ゲームを作る”ゲームは注目されていますが

ユーザーに託される部分が大きくなったと思いますね。もともとマインクラフトが始まって、動画サイトにそれを投稿してみんなで楽しむという文化が生まれたからできたゲーム性だと思いますね。」

ーなるほど。では、マインクラフトについてどう思われますか

「新しい面白さがあると思いますよ。昔はできなかった、みんなに作ったものを見せて表現するというのが、全部オンラインに繋がって動画サイトでモノを見せる・発表することができるようになって、初めてできたゲームの文化だと思う。技術の進化がある度に、ゲーム機であったり周りの環境も含めて、その度に新しい遊びが提案されてきました。マインクラフトもその一つだと思いますね。」

 

◆VRはゲームにこだわらなくて良い

 

ー近頃のVRを使ったゲームについてはどう思われますか

「VRというのは今ここにないものを現実であるかのように感じる、ということで、ゲーム性が無くても良いんです。例えばコンサート会場があって、そこでアイドルがライブをやって、それをそのままVR端末で見ているだけでも良い。”ゲーム”にこだわらなくても、全てに使うことができるものだと思います。」

 

◆『これはゲームだ』と言えばそれはゲーム

 

ーゲームはこれからどのような進化を求めていってると思いますか

「色々なコンテンツと融合していくと思います。何をもってゲームと言うかも、言った人が『これはゲームだ』と言えばそれはゲームになり、ゲームのVRとそれ以外のVRの差というのはどんどん無くなってくると思う。」

「『リアルにある楽しいもので、モニターで表現できるものは全てゲームと言いましょう』という任天堂の宮本さんがおっしゃった言葉があるのですが、それと同じで楽しいと感じられるインタラクティブなものがあるのなら、それを今はゲームと呼べる範疇にないものも含めてゲームと呼んでしまえば良いじゃないかと思います」

 

 

続編『第2章:新しいものをわかっていない親、ゲームに関する教育方針について聞く』に続く。

この記事を書いた記者

白髭 直樹
白髭 直樹Mediums 代表/編集長
映像制作からPR、プログラミングなど多岐にわたり活動。映像関係においてはNHK杯全国3位、コンテスト優勝など数多くの受賞歴。またITベンチャーに参画のほか、報道活動やイベントの運営なども行っている。